2024年11月17日(日)礼拝説教要旨

「五つのパンと二匹の魚」―マタイの福音書14章13~21節―

 

1.増やし屋さん?

 この時パンを食べた多くの人々は、こう考えたのです。<わずかな食べ物を千倍・万倍に増やすイエス様に王になってもらおう。そうすれば私たちは一生食べ物に困らないだろう>と。イエス様はこれをご覧になって、人々を解散させました。弟子たちを舟に乗り込ませ、ご自分は祈るために一人で山に逃れられたのでした。神の子・救い主イエス様は「食糧安保大臣」ましてや「食糧増加装置」ではないからです。

 

2.イエス様を求めた人に与えられたパン

 パンを食べた人々は、御国の福音と癒しを求めて、イエス様を遠くまで追いかけて来た熱心な人々でした。イエス様を求めた人々が、辺鄙な地で食事にありつけないのをご覧になった時、イエス様が深い憐れみのうちにパンを備えられたのがあの奇跡でした。「まず神の国とその義とを求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます」(マタイの福音書6章33節)という聖書の通りでした。

 

3,イエス様が示されたもの

 しかしイエス様を求めていた群衆はすぐに、パンをくださるイエス様を喜ぶだけの食いしん坊に変身します。願いごとのボタンを押して、お祈りという百円玉を入れると欲しいものが出てくる-彼らはイエス様を自販機のように見たのです。だがイエス様があの奇跡で示されたのは、ご自分が①貧しい献げものを受けとめ(人を深くあわれまれる)、②天の父をほめたたえる方(子として天の父と交わる)だということでした。

 

4.神とキリストを知る

 私たちはイエス様をこのようなお方と信じ、礼拝しているでしょうか。「永遠のいのちとは、唯一まことの神であるあなたと、あなたが遣わされたイエス・キリストを知ることです」(ヨハネの福音書17章3節)。父・聖霊と対等の神でありつつ、罪人を深く憐れまれるお方が、私たちの献げる貧しい言葉、行い、祈り、賜物、財、もの、時間…を受け止めてくださることに、感謝を新たにし、お名前をほめたたえます。