2024年3月3日(日)礼拝説教要旨

「圧倒的な勝利者」―ローマ人への手紙8章35~39節―

 ローマ8章は、「私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません。」という力強い宣言で締められています。

 

1.どんなことがあっても(35節)

 まずパウロは、「どんなことがあっても」主イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできないことを示しています。苦難、苦悩、迫害、飢え、裸、危険、剣…私たちを苦しめうることを網羅したうえで、この約束が、平時にのみ通用する気休めではなく、あらゆる状況にも変わらない真理であることを示しています。この確信は、パウロ自身の経験からも立証されていました(Ⅱコリント11:23 -30)。

 

 

2.誰も(38-39節)

 次にパウロは、「誰も」主イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできないことを示しています。死、いのち、御使いたち、支配者たち、今あるもの、後に来るもの、力あるもの、高い所にあるもの、深い所にあるもの…ここでも、私たちを脅かそうとするすべてを網羅して弁証しています。これらのリストの内で、私たちにとって最も恐ろしいのは「死」でした。しかし主の十字架の贖いと復活によって、私たちは「死」を恐怖ではなく、むしろ天国への入り口として喜ぶことさえできる者となりました(ヘブル2:14-15)。

 

3.圧倒的な勝利者(36-37節)

 36節は、詩篇44:22からの引用です。これは、困難の中でイスラエルが、「神さまのせいで私たちはこんなに苦しいんだ!」と不平を言っている内容です。私たちにも、これと同じつぶやきが心に浮かぶことが無いでしょうか。試練の中で、神は愛だと習ったけれど、殊私のことだけは愛していないのではないかと絶望するような時が、あるものです。「しかし」(37節)とパウロは続けます。私たちがどう感じるかではなく、神の愛はいかなる場合にも私から離れることは無いという事実に目を向けて、「圧倒的な勝利者」とされていきたいものです。